ケニア山「熱帯の氷河」が消滅の危機。
山麓の水資源はどうなる?
氷河縮小が進むケニア山で、山麓の水資源の涵養標高と地下水の年代測定を行いました。氷河融解水、河川水、湧水、降水を採水し、それぞれの酸素同位体比を分析した結果、麓の河川水・湧水は氷河が存在する標高帯(河川水:約4,600m、湧水:約4,900m)で涵養されている可能性が高いことがわかりました。 また、トリチウムとフロン類を用いた湧水の年代測定の結果、湧水は山体上部で涵養され、山麓で湧出するまでに約40〜50年かかることがわかりました。40〜50年前のケニア山の4,900m付近にはまだ広大な氷河が存在していましたので、現在の山麓湧水には過去の氷河融解水が寄与している可能性が示唆されました。