トウモロコシが彩る古代アンデスの台所
古代人の食べ物の推定には様々な方法がありますが、同位体分析を用いると、一人一人の食べた物を調べることができます。ヒトの食物となる動植物は、光合成回路の違いや栄養段階の違いから、異なる炭素同位体比と窒素同位体比を有するいくつかのグループに分けられます。ヒトの体組織は摂取した食物で形成されることから、古代人の体組織の同位体比を調べて食物の値と比較することで、そのヒトが摂取した食物を推定できます。私たちの調査チームは、ペルー北部高地のパコパンパ遺跡から出土した古人骨を分析し、古代アンデスの人々が食べていた食物を推定しました。