安定同位体を用いた身元不明者の出身地推定法の開発
わが国では、年間約8万人を超える行方不明者がいらっしゃいます。その多くは無事に発見されますが、不幸にも亡くなる方もいらっしゃいます。特に、身元を明らかにする所持品を残さず亡くなる方の身元を明らかにするのは非常に難しいことです。加えて、認知症を背景にした高齢者の行方不明者も増加しており、解決すべき問題です。私たちは、体の中にある安定同位体に着目して、身元不明者の在住地の推定を可能にするツールの開発を目的として研究を進めています。この研究は、従来利用されている身元特定法(人体の特徴、似顔絵、歯科所見、DNAなど)の方法と組み合わせることによって、より精度の高い身元特定法の確立につながります。