同位体環境学がえがく世界

「地質」の検索結果

季節風が豊かな恵みと同時に汚染物質も運んできます

日本では、冬になると北風が吹いてきます。日本の北西方向、ユーラシア大陸のシベリアから吹き付ける冬季の季節風は、私たちに豊かな恵みをもたらす一方で、大陸で発生した大気汚染物質を運んできます。複数の元素の同位体を測定すること …

コケ、3つの元素から大気汚染を語る

東アジアの国々から日本へは、西風にのって大気汚染物質(越境大気汚染)や黄砂が多く飛来し、生態系や健康へ与える影響が懸念されています。そこで、本研究でコケの窒素(N)、鉛(Pb)、ストロンチウム(Sr)の安定同位体比(以下 …

森林のカルシウム不足を火山灰が救う

酸性雨の生態系影響は、欧米では湖沼から魚がいなくなり森林が枯損するといった被害が問題となりましたが、日本ではそのような影響は認められていません。それはなぜかを調べるために、本研究では土壌のカルシウムに注目しています。土壌 …

農地塩類の起源に迫る

乾燥地域のかんがい農地では、適切な水管理を行わないと土の表面に塩類が集積し、作物が育たなくなります。農地にはさまざまな起源をもつ水や塩類が供給されます。 農地からの排水中には,農地に供給された水や物質が排出されます。そこ …

濁りの元栓はどこ? 富士川の濁水ブレンドを読み解く

富士川は、山梨県と静岡県を南流する一級水系です。その水の濁りが近年強くなっており、流域の生態系や人々の暮らしにまで悪影響を及ぼすのではないかと懸念されています。いったい濁りはどこからどのくらい来ているのでしょうか。 ここ …

カンボジアのトンレサップ湖の水はどこから来たの!?

カンボジアにあるトンレサップ湖では、富栄養化や過剰漁獲等による環境・生態系の変化が懸念されています。そのトンレサップ湖の水や元素の供給源として、メコン河等の河川がどれだけ貢献しているのか調べました。湖水や河川水を採取し、 …

資源開発における環境負荷低減のための同位体研究

我々の生活に必要不可欠な様々な資源を採掘すると、周辺の住民の健康や生態系に重大な影響を及ぼすことがあります。資源開発における環境負荷を低コストで抑えるためには、坑廃水や汚染河川での金属元素の起源や挙動を正確に理解する必要 …

世界に役立つ水田土壌の有機物保護力! ヒミツは鉱物?

水田の土壌有機物は、水稲収量を向上させるとともに地球温暖化の抑制にも寄与しています。有機物が分解されないのは、土壌団粒中に閉じ込められたり土壌鉱物に吸着されたりして、「保護」されているためです。そこで、保護の仕組みによっ …

魚の骨の鉛同位体から、生息する海域を特定できるか?

近年の気候変動などの海洋環境の変動により、魚の生息場所が移動し、漁獲量に大きな影響を及ぼしています。水産資源を持続的に利用していくためには、水産資源量を把握することや、生育場・回遊場などの把握が重要です。 本研究では、生 …

最新研究のぞき見!長距離移動する昆虫

近年、数百kmから1,000kmを超える長距離を移動する昆虫の安定同位体比を調べてみると様々な値を示すことが分かってきました。水素の安定同位体比では大陸の南北方向の移動が分かり、地質年代の異なる生息地域の虫はストロンチウ …

縄文人の歯が命!?縄文人の集団間の移動を調べる

縄文人は、約16500~2300年前の日本で、狩猟・採集・漁労をなりわいとしていました。社会的な風習として、故意に歯を抜く抜歯風習がありました。歯を抜く二つのパターンは、縄文人の移動と関係があると考えられてきました。この …

リャマとアルパカ ―アンデス文明動物飼育物語―

先スペイン期のアンデス社会では、リャマとアルパカが様々な用途で使われていました。元々は高地高原に生息していた野生動物が、いつ・どのように家畜として広がっていったのか、まだ全容は明らかになっていません。 骨や歯の同位体比に …

海水の由来の変化から日本海の知られざる歴史を解き明かす

海水のネオジム同位体比は、海域ごとに特徴的な値を持っているため、海水のネオジム同位体比を分析することで、海水の移流や海水の混合を化学的に捉えることができます。現在の海洋であれば、ネオジム同位体比を用いなくても、物理観測や …