メタボ化した森のお残し窒素は、
土地利用・地形を活かしてお掃除!
福岡市近郊の森林では、大気からの窒素降下物の増加と人工林の高齢化によって、樹木に利用しきれない窒素が硝酸イオン(NO3–)として渓流水に流れ出しています(森林の窒素飽和)。しかし、下流に行くにつれて河川水中の硝酸イオン濃度は低下していきます。そのメカニズムを明らかにするため、窒素・酸素安定同位体比と地理情報システムを用いた解析を行いました。森林に被われた急傾斜な源流部から下流に行くにつれて、地形の傾きはなだらかになり、土地利用は農地や都市域に変わります。その結果、流域環境との相互作用が増加し、河川水中の硝酸イオン濃度が低下することがわかりました。