資源開発における環境負荷低減のための同位体研究
我々の生活に必要不可欠な様々な資源を採掘すると、周辺の住民の健康や生態系に重大な影響を及ぼすことがあります。資源開発における環境負荷を低コストで抑えるためには、坑廃水や汚染河川での金属元素の起源や挙動を正確に理解する必要があります。
上の写真はレアメタルであるレアアース元素やチタンの製錬工場の廃さい堆積場からpH2.5程度の酸性水が河川に漏洩しているところです。鉛や鉄など廃水中に含まれる金属元素の同位体比を測定することで、鉛の起源が鉱石由来であること、酸性水に含まれていた溶存二価鉄は河川水のpHが上昇する過程で酸化沈殿し、一部はコロイドとして有害物質とともに下流へ運搬されていることを明らかにすることができました。