魚の骨の鉛同位体から、生息する海域を特定できるか?
近年の気候変動などの海洋環境の変動により、魚の生息場所が移動し、漁獲量に大きな影響を及ぼしています。水産資源を持続的に利用していくためには、水産資源量を把握することや、生育場・回遊場などの把握が重要です。
本研究では、生育場推定にあまり利用されてこなかった鉛に着目をしました。様々な産地で水揚げされた魚の骨の鉛同位体比を調べ、産地ごとに比較を行い、魚の生育場推定の指標になるかを検討しました。その結果、①太平洋と大西洋に生息する魚、②北部太平洋の西側と東側に生息する魚とで脊椎骨の鉛同位体比が有意に異なることが分かり、両者の間で生育場の推定や産地判別ができる可能性があることが分かりました。